ザ・サンタイ9 オゴオゴとニュピの夜

バリ島、クロボカンのザ・サンタイでの滞在。
最初にお伝えしたように、今回は滞在中にバリ島の新年であるニュピを迎える事になった。


ニュピ前日の夜には、オゴオゴのパレードが行われる。
数日前から、町中にはこのような迫力のある山車が準備されているのを見る事ができる。


オゴオゴとは、悪霊の人形を乗せた山車や神輿の事で、これを担いで町中を練り歩き、最後には燃やしてしまう。
町中から悪霊を追い払ってニュピを迎えるという事のようだ。


オゴオゴは、各地区にて作成されるようで、ザ・サンタイの周りでもオゴオゴが用意されているのを見る事ができた。


悪霊なのだから、とにかく恐ろしい姿をしている。
村や町から追い出された悪霊は、このオゴオゴに宿ると言われている。


オゴオゴが終わり、ニュピを迎えると、島内は静寂に包まれる。
この日は家で静かに過ごす事になっており、外出は禁じられる。また、火や電気を使う事も禁止なので、夜には電灯1つない真っ暗な中過ごす事になる。
観光客も例外ではなく、我々もヴィラ内の電灯を全て消し、室内のわずかな光の中を過ごす事になった(本当はこのわずかな光さえ禁止なので、外に漏れないよう隙間なくカーテンを閉めておいた)。


商店は全てクローズ。空港も閉鎖されるので、入ってくる事も出ていく事もできない。
現代人には考えられないような不便を強いられるニュピの一日だが、良い事もある。
本当に辺りが真っ暗になるので、いつもより数段美しい星空を眺める事ができるのだ。
運よく晴れてくれたため、我々もヴィラのプールサイドで美しい星空をずっと眺めていたのだった。