リゾートについて語るときに我々の語ること

2011年7月、ブルガリリゾートに宿泊したバリ旅行の記録。 子供が産まれてから、初の海外となった今回。間違っても観光などする気が起きないように、ウルワツをチョイスした。ウルワツは、バリ島の最南部に位置し、2006年にブルガリリゾートがオープンするまでは、ほとんどリゾートのないエリアだった。ブルガリのオープン以来、高級リゾートが次々にできているが、周囲には観光客が行きそうな店はほとんどない。ホテルに篭るにはもってこいの環境なのだ。 宿泊するのはブルガリ・ホテルズ&リゾーツ・バリ。イタリアの高級ブランド、ブルガリがリッツ・カールトンのマリオットと組んで作り上げた。ウルワツの地形を活かし、崖の上にヴィラが立ち並ぶ。リゾートのどこからでも海が臨める絶景リゾートだ。 ちょうど6月末でリタイアする父(と母)も誘い、思いがけず3世代旅行となった。

JALがバリ便から撤退してしまったため、今回はガルーダを選んでみた。ガルーダといえば機内入国審査。デンパサール航空で長々と列に並ぶのを回避できる。前回のバリでは1時間以上並んでいた記憶があるが、今回はスイスイ通過。これはなかなか癖になりそうである。 さて、ブルガリは空港から車で30分ほど。道幅は狭く、観光客用の店など見当たらない。この先に本当にリゾートがあるのか、不安になってしまう。到着する直前まで、これから始まるであろうすばらしい滞在を予感させるようなものは何一つ見ることができないのだった。 リゾートに到着して、まず始めに訪れるのはレセプション。ブルガリは、レセプションが一番高い位置にあり、そこから海に向かって少しずつ低くなっていく地形だ。だから、レセプションからはリゾート全体を見下ろすことができる。 ↓昼でもちょっと暗いレセプション ↓奥の方に見えるのは全部ヴィラ ↓逆から見るとこんな感じなのだ ウェルカムドリンクを頂いた後、日本人スタッフからこんな申し出が。「今回はお父様の退職記念旅行ということですので、お父様のお部屋はクリフヴィラにアップグレードさせていただきます。」 ブルガリには1ベッドルーム、2ベッドルーム、ブルガリヴィラの3種類のヴィラがある。1ベッドルームヴィラは、ヴィラからの景観により、オーシャンビュー・ヴィラ、プレミアオーシャンビュー・ヴィラ、オーシャンクリフヴィラと、こちらも3種類に分かれている。オーシャンビュー・ヴィラが海から遠く距離があるのに対し、クリフヴィラは海を間近に臨むことができる一番眺めのいいヴィラなのだ。 アップグレードは非常に嬉しいが、う～ん、1部屋だけか…。カテゴリが違うと、部屋も離れてしまうだろうし、ちょっと微妙だな。とはいえ、オーシャンビュー・ヴィラとクリフヴィラの眺めの違いを見てみたい気持ちもあり、素直にお願いすることにした。

チェックインを済ませた我々は、いよいよヴィラへ移動する。 リゾート内はバギー(ゴルフのカートみたいなやつね。)で移動する。敷地内は高低差があるので、歩いて移動すると結構疲れるのだ。勾配のキツい坂道もあるので、バギーで下る時はちょっと怖い。 ↓ヴィラの入り口には立派な扉がある 父親夫婦のヴィラは、パブリックプールのすぐ隣。レストランも近いし、便利な位置だね。我々のヴィラは、そこから2段程上に上ったところ。父親たちのクリフヴィラは、前に他のヴィラがないが、我々のヴィラからは、前のヴィラの屋根が見える。もう日が暮れてしまったので、海は見えない。 クリフヴィラに集合し、ルームサービスで夕食を取る。やっぱり広いヴィラはいいね。リビングルームは、5人で集まっても広々としている。 今日は移動で疲れたから、もう寝よう。明日の朝が楽しみだ。

ブルガリで迎える初めての朝。ベッドルームから外へ出ると、おぉっ！この絶景！これが見たくてブルガリを選んだのだ。 気持ちよく晴れた空。海がきれいだね。 この後、クリフヴィラからの景観もチェックしたが、私は自分のヴィラからの景観の方が良いと思った。クリフヴィラは、前にヴィラがないので、海だけが見える。とはいえ、海に近い分視界が狭い。我々のヴィラは、クリフヴィラより高い位置にあるため視界が広く、より爽快な気分が味わえる。 長男くんは朝からしゃぼん玉に夢中。君はどこにいてもやる事は変わらないね。 プライベートプールにしゃぼん玉が浮いて、長男くんは大喜び。 ここのプールはちょっと小さめ。泳ぐことはできそうにない。崖側に、細長く水路のような部分があるのが特徴的だ。 アウトドアリビングのソファに座っても、海がきれいに見える。 朝食もルームサービスで。レストランに行ってみたいけど、そのうち行く機会があるでしょう。朝食はヴィラでゆっくり頂くのが最高！ さて、今日は何をしよう。いつものように、我々はリゾートで全く予定を考えないのだった。

高い崖の上に位置するブルガリ・リゾート。海は遠くから眺めることしかできないかというと、そうではない。崖を降りてビーチまで行くこともできるのだ。 スパの脇にある小道を進んでいくと、ゴンドラの乗り場がある。これで崖の下まで行くことができるのだ。 乗り場から下を見ると…。かなりの急勾配だ。 なんとか一番下まで降りることができた。ちょっと怖かったね。 だいぶ海が近くなってきた。先の方に見えるのは、ビーチサイドのカフェ、"ラ・スピアッジャ"。ビーチまで降りる前にあそこで一休みしようか。 スタッフに笑顔で迎えられ着席。席からはこの絶景！これは何時間いても飽きないぞ。 下の階層には、こんなソファも。ここも居心地いいね。 さて、そろそろビーチへ降りてみようか。あまりの居心地の良さに、ついつい長居してしまった我々なのであった。

ラ・スピアッジャでくつろいだ我々は、いよいよビーチへ向かうことに。 ここからは階段を下っていく。下りながら見えるのはこの景色！暑いけど気分は爽快である。 階段を下り切ると、周りを岩場に囲まれた、箱庭のようなビーチが。奥に見えるのは、先ほど下ってきた階段。帰りの事を考えるとちょっと恐ろしい。 バリのビーチは、プライベートビーチでも物売りがいたり、地元のサーファーがいたり、近隣ホテルのゲストが紛れ込んでいたりと騒がしいイメージがあるが、ここのビーチはブルガリのゲスト以外は入り込みようがない。波の音しか聞こえない、静かなビーチだ。 ちょっと狭いような気がするけど、訪れるゲストは多くないようだ。道中の長さも影響しているのだろう。我々もここまで降りたのは一度きりだった。デッキチェアの奪い合いになるような事も、おそらくはないのだろう。 柵の向こうには波が打ち寄せる。 波はなかなかに高い。ウルワツはサーフィンが盛んな地でもある。 柵の下までは波が来るようだ。下に降りることはできるが、ここで泳ぐという感じではない。奥に見える東屋には、スタッフが1人常駐している。ドリンク等のオーダーもできるようだ。 我が長男くんは砂遊びに夢中。 この後、遊びつかれて眠ってしまった長男くんを抱えて先ほどの階段を登ることになるのだった…。

ブルガリのパブリックスペースは、スパやレストラン等、ゲストがよく訪れる施設の多くが崖っぷちに位置している。今日は、夕飯前のひとときをバーで過ごすことにした。 散歩がてら徒歩で移動。リゾート内の通路は、全て石畳。両側にはヴィラが立ち並ぶ。バギーでの移動が主となるので、歩いているゲストはあまりいない。 さて、このバーには、我々が出発前から夢見てきた絶景シートがあるのだ。海を臨む崖の上に位置するこのバー。海に一番近いアウトドア席には、2席のみのビッグなデイベッドが置かれている。海を眺めながら、ゆっくりくつろげること間違いなしなのだ。 3,4人は寝転ぶ事ができそうなこのビッグサイズ。クッションもたくさん置かれていて、ゴロゴロするには最適！ ふと目の前の木を見ると、そこにはいつの間にか猿がこちらの様子を伺っていた。 ウルワツには、有名な観光地であるウルワツ寺院があるが、ここを訪れた人が必ず目撃するのが猿だ。特に、食べ物を奪われたという話はよく耳にする。ブルガリでは、彼らへの対策として、リゾートの敷地外で餌を与え、ゲストの食事を狙わないようにしている。それでも、リゾート内では彼らの姿を目にすることが多い。スタッフに見つかる度に追い返されているが、それでもゲストの食べ残しは魅力的らしい。我々の目撃した猿も、席からゲストがいなくなるやいなや、食べ残しをしっかりゲットしていた。

猿。 今回は猿の話だ。 猿については前回少し触れた。ブルガリには猿が出没する。 ある朝、我々がヴィラで朝食を取っていると…。 ん？ おぉ… こっち見てるな… あっ！ ちょっ… あ～！ あ～あ… あ～… バーで猿を見たときは、「ジョージ！ジョージ！」と喜んでいた(「おさるのジョージ」ご存知だろうか？)長男くんも、このときはさすがに号泣。この日以降、朝食はレストランで取ることにしたのだった。 我々にとって、ヴィラでの朝食タイムは至福の時。身支度も整えず、起きたままの格好でだらだらと食べるのが最高なのだ。それがここではできなくなってしまったのが残念だった。

今日もいい天気。海がキレイだね。 リゾート旅行では観光や買い物をしないと決めている我々だが、今日はちょっとだけ買い物へ行くことにした。親夫婦がお土産を買いたいというので、案内することになったのだ。 向かったのはスミニャック。バリ島中部の西海岸で、カップル向けのヴィラが立ち並ぶ大人のリゾートエリアだ。ウルワツから車で約40分と少し遠いが、ウルワツ周辺には店がないので仕方ない。 アタ製品を見たいということなので、「アシタバ」へ。アタとはシダ植物の一種で、これを乾燥させて編んだ籠などの雑貨が観光客に人気なのだ。母はここで大量のお土産を購入。早くも満足したようだ。 さて、次は南に移動してジンバランへ。 ジンバランは、空港のすぐ南。空港とウルワツの中間あたりにある。フォーシーズンズやアヤナ(旧リッツ・カールトン)等、大型高級リゾートが多いエリアだ。お土産を購入できるような店はほとんどないエリアだが、ここには我々も大好きな店がある。 ジェンガラ・ケラミック。世界中のリゾートホテルで採用されている、超有名なバリ発のリゾート食器ブランドだ。親夫婦のお土産にかこつけて来たものの、実は我々が買い物したかったのだ。スミニャックで一通りお土産を揃えていた親夫婦を尻目に、食器を大量購入した我々なのであった。

買い物を終えた我々は、ホテルに戻る途中でランチを取ることに。 目指すは、ウンガサンのホテル「カルマ・カンダラ」のレストラン「ディ・マーレ」だ。ここはブルガリと同じく崖っぷちに位置するリゾートで、オーシャンビューの超絶景レストランなのだ。 カルマ・カンダラの宿泊者以外がディ・マーレを利用する場合、ホテルのエントランスではなく、レストラン専用の入り口を利用することになる。我々からすると、カルマ・カンダラのパブリックスペースを見学できないのが残念であるが、宿泊者にはよりプライベートを確保できるメリットがありそうだ。 さて、レストランのエントランスを入ると、こんな通路を通ることになる。まるで別世界に紛れ込んでしまったようだ。 この通路をしばらく進むと…、おっ、見えてきた！ おぉ～ うわぁ～ これはすごい！ 下にはプールも見える。 レストランの上には、こんなバーがある。 ここでくつろぐのも気持ちよさそう。 同じ崖っぷちリゾートでも、ブルガリとは全く雰囲気が違うカルマ・カンダラ。まるで地中海のリゾートに来たかのよう。 レストランの脇には、ブルガリと同じようなゴンドラがあり、ビーチまで行くことができる。 長男くんはおおはしゃぎで遊びまわり、ブルガリに帰ったときには熟睡してしまったのだった。