リゾートについて語るときに我々の語ること

2006年10月、沖縄・八重山諸島の真ん中に位置する小浜島を訪れた。八重山諸島といえば、石垣島を中心に、西表島や竹富島が観光の中心だ。小浜島は、近年テレビドラマ「ちゅらさん」の舞台として注目されたくらいで、観光地といえるような観光地がない。さとうきび畑ばかりの素朴なこの島に、オールスイートの豪華なリゾートホテル「ラグーンスイートヴィラ・アラマンダ」がある。 ユニマットグループが、宮古島の「ベイサイドスイート・シギラ」(現在はシギラ・ベイサイトスイート・アラマンダ)と双璧をなすリゾートとして建設したものの、経営がうまくいかなかったのか、その後子供受け入れOKの「ニラカナイ」となり、現在は「ほしのや」の星野リゾート傘下となり、「リゾナーレ」に変わってしまった。 経営はともかく、日本のリゾートには珍しくヴィラタイプの客室に、寝室とリビングが分かれたスイートタイプの客室。観光地から離れた静かな環境と、我々好みのリゾートなのだ。 まだ我々がリゾートにハマる前の旅行なので、割とがんばって観光しているという印象のこの旅行。いつもとはちょっと違う感じになるかもしれないが、ご紹介していこうと思う。

八重山諸島の基点は石垣島。どの島へ渡るにも、石垣島から船に乗ることになる。石垣空港に到着した我々は、すぐに石垣港へ。 アラマンダの宿泊客は、ホテルが手配してくれたタクシーが空港に待機しており、すぐに港まで移動できる。さらに港には専用のラウンジがあり、冷房の効いた中、冷たい飲み物を飲みながら優雅に船を待つ事ができる。手荷物は、空港で運転手に預けた後はラウンジのスタッフが管理してくれるので、そのままチェックインまで自分で荷物を持つ必要がない。これはなかなか快適なサービスだ。石垣港という八重山観光の基点にあるため、そのまま荷物を預けて観光も可能だ。 島へ渡る前に、港近くの「まぁさん道」で腹ごしらえ。石垣牛のステーキが絶品だった。 小浜島までは、石垣港から約30分。港からは、ホテルのバスで移動できる。 ↓ホテルのエントランス。 いよいよリゾートに到着だ。

今回我々が宿泊するのはスーペリアスイート。一番下のカテゴリとはいえ、ベッドルームとリビングルームが分かれているスイート仕様。「ラグーンスイートヴィラ」というだけあって、客室は基本的にヴィラタイプになっているが、スーペリアスイートは2階建てで4部屋が1棟にまとまっている。 部屋に入るとすぐにリビングルームが。ここにはベッドルームを臨むことのできる小窓があり、開けておけば広々とした印象に。 ベッドルーム。 そしてなんといっても、このデイベッドが快適。部屋にいる時間のほとんどはここで過ごしたように思う。 バスルーム。大きく清潔なバスタブが嬉しい。 窓からは、遠くに海が見える。 テラスには椅子が用意されているが、ちょっとここでくつろぐ感じじゃないな。

日が暮れてきたが、少しリゾートの中を散歩してみよう。部屋を出たところにはカエルが。部屋番号のプレートを持っている。 シーサーも発見。 客室は、リゾートの中心にあるラグーンを取り囲むように作られている。 上のカテゴリの部屋は、ラグーンに面したテラスが備えられている。でも、ラグーンは別にキレイなわけではないので、部屋から見えても嬉しくないような…。これなら我々の部屋のように海が見えた方がいいと思う。 ラグーンに面したプール。いくら沖縄とはいえ、10月になると、天気が悪い日はちょっと寒い。結局このプールはほとんど利用しなかった。

八重山を訪れた2日目、この日は石垣島を見て回ることに。訪れた中で、一番印象に残ったのが、なんといっても川平湾。 高台から見下ろした海の色が素晴らしい。 ビーチまで降りてみる。 湾内には、グラスボートがたくさん浮かんでいる。こういうのに乗るつもりのない我々にとっては、ちょっと邪魔かも…。 タクシーの運転手が写真を撮ってくれた。川平湾までの道中、色々と石垣島の事を教えてくれ、とても参考になった。

翌日。この日我々は、小浜島を見て回ることにした。小浜島は、有名な観光地のない素朴な島。特定の場所を見るのではなく、島の雰囲気を感じ取れるように、自転車で島を一周することにした。 自転車はホテルで貸し出している。起伏の多い島なので、電動自転車を借りたかったが、もう全部貸し出し中とのこと。仕方なく普通の自転車を借りることにした。 まず向かったのは、島の中心に位置する「シュガーロード」。ドラマ「ちゅらさん」で有名になった道だとか。 シュガーロードには、特に何があるわけでもないが、どこまでも続くような真っ直ぐな道が清清しい。 坂道になっているので、自転車で降りていくのが気持ちいい。 道の両側はさとうきび畑になっている。牛や山羊もいて、非常にのどかな雰囲気。ヘタな観光地よりよっぽどいい。 シュガーロードを抜けると、小さな集落が現れる。民宿にもなっている小さな食堂で、沖縄料理を味わった我々。引き続き自転車に乗り込み、島観光を続けたのだった。

続いて我々が向かったのは、これまた「ちゅらさん」のロケ地、こはぐら壮。一応写真だけは撮ってみたものの、特に感慨はない。 そして島内で一番の高台、大岳(うふだき)。頂上までは階段が続いていて、サイクリングで疲れた足には堪える。でも、島内を一望できる眺めはなかなかのものだ。 またまたちゅらさん関係。「ちゅらさんの碑」。ここまで来るとさすがに疲れてくる。 最後に訪れたのは、アラマンダの隣にあるリゾート、「はいむるぶし」。このリゾートも、実は少し気になっていたのだ。 ビーチで少し遊んでみる。 実は、アラマンダにはまともなプライベートビーチがない。現在は立派なビーチクラブ付きのビーチが整備されているが、当時はほとんど整備されていない小さなビーチがあるのみ。ビーチに飢えていた我々は、ここで飢えを満たしたのだった。

今回の旅行の最終日、我々は竹富島を訪れた。竹富島は、小浜島のすぐ近くに位置する島で、白砂が敷き詰められた道や赤瓦の民家等、昔ながらの沖縄の風景を残す島だ。 これぞ沖縄、という風景。島民全員でこの景観を守っているのだ。 高台から集落の中心部を臨む。赤瓦の屋根を持つ平屋建ての住宅が並んでいるのがわかる。 島内を歩いていると、こんな牛車によく出くわす。これに乗って観光するのが定番コース。牛車からは三線の調べが聞こえてきて、島の雰囲気を盛り上げている。 ビーチも美しい。 郵便局もこの通り。徹底して景観が守られている。

小浜島アラマンダについてまとめに入ろう。 まずはリゾートの外観から。日本には珍しい、オールヴィラタイプのリゾートということで、当然の事ながらパブリックスペースはビルディングタイプのホテルとは全く違う雰囲気を持っている。 ヴィジュアルには気を使っているようで、かなり雰囲気がいい。特に夕日に染まる時間の美しさはなかなかのもの。ただし、リゾートの中央に陣取るラグーンは、それ自体は美しいとは言えない。上のカテゴリのヴィラは、ラグーンビューになっているが、果たしてこれはどうなのか？やはりオーシャンビューには敵わないのではないか。 (確か、プーケットのバンヤンツリーが同じような作りだったように思うが、そちらはどうなのだろうか？) 部屋について。リビングルームがベッドルームが分離されていて、広々とした感じ。さらにデイベッドの存在は非常に重宝する。部屋でゴロンとくつろげるのは、他のホテルになかなかない魅力だ。 ただし、ヴィラという割には開放感が少なく、ビルディングタイプのホテルとあまり変わらない気がした。 食事について。小浜島には夜遅くまで営業している店がなく、あったとしても、アラマンダは島の隅っこに位置するため、集落まで行くのはなかなかにしんどい。自然、食事は全てリゾート内で取ることになる。しかし、リゾート内には食事の選択肢が少なく、しかも高い。値段、種類共に幅を持たせた方が良いと思う。 それからリゾート内の移動について。アラマンダの隣には、同系の「ヴィラ・ハピラパナ」(現在はこちらもリゾナーレになっている。)があり、こちらの施設も利用できる。我々は、ここのクラブハウスでのディナービュッフェによく行っていたが、ここまで行くのがなかなかに遠い。一日五千円ほどでカートの貸し出しがあるが、時々しか使わないカートに五千円出すのも気が進まない。このカートをもっと安くするか、スタッフのカートで送ってくれるサービスが欲しい。 それから、ビーチがないのも寂しい。いや、一応あるのだが、あまり整備されていない細い道を延々と行った先に、狭いビーチがあるだけだった。ただし、現在はビーチクラブ付きの立派なビーチが整備されたようだ。 我々は日中周辺の島に観光へ出かけてしまったが、本当はリゾート内でゆっくり過ごすのがいいかもしれない。なにしろ部屋の居心地が最高なのだ。