星のや竹富島のプールは、集いの館のすぐ近く。少し低い位置に作られていて、集落からは見えないようになっている。集落の雰囲気を壊さないように配慮されているのだ。
珍しい楕円形のプール。知らずに見ると池のように見える。
プールを見下ろせる位置には、ゲストがつくろげるスペースが用意されている。
デッキチェアに加え、ソファ席も。もちろん濡れた水着のままでもOKだ。
三角形の日除けはカッコいいが、日蔭ができにくい。陽射しが強い日は、ここではくつろげないかも。
水深の浅い箇所もあるので、子供を遊ばせることもできる。
ゆんたくラウンジからの眺め。
このあたりでは、夕方になると「サーターアンダーギー」という揚げドーナツのようなお菓子を配っている。サクサクでとてもおいしい。長男君は毎日これをもらうのを楽しみしていた。
このプール、ビジュアルは文句なしなのだが、底をよく見るとムカデのような虫がたくさん沈んでいた。これを発見してからは、もう気持ち悪くて入る気をなくしてしまった。
スタッフに訴えても、浅い部分を少しだけ掃除してくれたのみで、ほとんど改善されず。何度も訴えた後、やっと本格的に掃除してくれた。「自然豊かな場所なので、どうしても中に入ってしまうんです。」という説明を受けたが、それならなおさら頻繁に掃除する必要があると思う。
正面から見るとこんな感じ。
中には、ゆったりとシッティングスペースが配されている。
沖縄関連の本や写真集がずらり。特にスタッフに断る必要はなく、自由に読む事ができる。沖縄民謡等のCDもあり、部屋に持って帰って聞くことも可能だ。
また、コーヒーやさんぴん茶、沖縄のお菓子も全て無料。客室より居心地がいいかも。
奥の方にはフロントを兼ねたバーカウンターも。
さらに奥へ入ると、島の民芸品やオリジナルグッズが置かれたショップがある。アメニティの石鹸やハーブバスも購入できる。
この特等席が我々のお気に入り。
昼間他のゲストが観光に出かけている間、観光しない我々はここを占領。のんびりと「ゆんたく」を楽しむのだった。
プールが一望できるこの場所。
大人たちはコーヒーとお茶を頂きながらのんびり。長男くんはお菓子を食べながらウロウロ。ハイハイらしきものを始めたばかりの次男くんは、マットの上でゴロゴロ。
正面の扉を開ければ、心地いい風が入ってくる。あ～幸せだ。これがリゾート生活の醍醐味。
気が向けばプールにドボン。長男くんは毎日プールで泳ぐ。去年ブルガリのプールで覚えた、浮き輪でのバタ足がずいぶんうまくなった。
特等席が空いていない時はこの席を狙う。ここでも十分リラックスできる。
インターネットにつながるマックも置いてある。
これは蚊取り線香の台。「シロハラクイナ」という鳥がモチーフだそう。ショップで購入できるが、なかなかのお値段。
前回の記事で紹介したプールサイドテラスよりも、日陰ができやすくて居心地がいい。
こちらの席は日陰になりにくい。
プールを一望できる。
集落内には、真っ直ぐな道はなく、必ず少し曲がっている。これは、竹富島の実際の集落と同じ。沖縄で信じられている魔物は真っ直ぐしか進めないので、わざと道を曲げておいて通行を妨げるのだ。
突き当りには…
石敢當。真っ直ぐ進んできた魔物が、これにぶつかると砕け散る。T字路等の突き当りに設置する魔除けだ。
時折こんなスペースも設置されている。
これは集いの館近くにある畑。この畑で採れた野菜は、ダイニングでも提供される。
左側はプール。集落からは見えないようになっている。
同じような道ばかりで、自分の部屋がどこにあるかわからなくなりそう。
こんな狭い道も。
日が暮れた後もなかなか雰囲気がいい。
まだまだできたばかりのリゾート。まるで模型のように見える。
見晴台の頂上には、印象的なデザインの四阿が。
夕方になると、次々と人が集まってくる。見晴台からは美しい夕日が見られるのだ。
頂上まではこんな階段を登っていく。
ダイナミックな夕日ではないが、幻想的な雰囲気が漂う。
少しずつオレンジ色に染まっていく集落。
こうやってゆっくりと夕日を眺める時間もリゾートならでは。
頂上へ登る階段は、かなり急だ。
パンフレット等でよく見る写真と同じ。
赤瓦の建物が並ぶ。
島内の古民家。全体的に黒ずんでいるが、リゾートとほとんど同じ。
観光客のほとんどはレンタサイクルを借りる。
ごみ1つ落ちていない白砂の道。住民が毎朝掃除しているのだそう。
星のやの敷地から出て、こんなワイルドな道を行く。この道の脇には、美しい蝶がたくさん飛んでいる。
10月とはいえ、まだまだ陽射しは強い。まだ7か月の次男君をおんぶしているので傘をさして歩く。
長男くんは部屋着の浴衣に帽子、改めて見ると妙な格好だ。
10分ほどでアイヤル浜に到着。八重山の海は遠浅で、潮が引くと岩がむき出しになる事が多い。
リゾートのプライベートビーチではないので、きれいに掃除されているとは言い難いが、砂の色は白く、海の色も美しい。
振り向いて来た道を眺める。ちょっとしたジャングルだ。
日蔭がないので、日傘などの準備は忘れずに。
「もうひとつの日本」というコンセプト通り、竹富島の集落を再現するだけでなく、ゲストに竹富島の文化を伝えようという意志が感じられる。
宿泊するだけで、ゲストは竹富島の文化を知る事ができる。これは、沖縄における全く新しいリゾートのあり方だと思う。単にリゾートに宿泊させるだけでなく、竹富島という場所そのものの魅力を伝える事で、ゲストは島自体のファンになるだろう。島とリゾートの相乗効果が期待できるのだ。
その一方で、ソフト面、つまりスタッフのサービスについては問題ありと感じた。
以下、特に気になった点を記しておく。
・同じ事を聞いても人によって答えが違う
例えば、ランドリーを頼もうとした時、電話で話したスタッフと、受け取りに来たスタッフで、できあがりの予定日が違っていたりした。他の事を聞いた際も、自信のなさそうな感じでどうも心許ない。わからないのなら、適当に答えずに「わからないので確認させてほしい」と言ってくれた方が助かるのだが…。
・掃除が行き届いていない
これは以前の記事でも書いた通り。
部屋のホコリについてはまだ許容範囲だが、プールの虫はちょっと耐えられない。
・クレームに対して、「業者がやった事だから自分たちは知らない」という態度
またランドリーの話になるが、依頼していた洋服が返ってきた時、1枚足りないのに気づいた。
フロントに連絡するも、「私達は受け取った洋服をそのまま業者に渡しているのでわからない。業者側にもその洋服はないようなので、もう一度部屋の中を探してくれ」とそっけない回答。
その通りなんだろうけど、もっと親身になって探してくれても…とあきれてしまった。
マイナス面ばかり書いてしまったが、中には非常にスマートな対応を取るスタッフもいた。
つまり、スタッフのサービスにばらつきがあるという事なんだと思う。
オープンしたばかりという事もあるかもしれないが、それならばサービスの質が安定するまでソフトオープンという形にしておけばいいのである。
その他、気になった点をいくつか記しておく。
・時計がない
部屋の中やパブリックスペースに時計が一切ない。
時間を気にせずに過ごしてほしいという事なのかもしれないが、滞在中時間を気にせず過ごす事は不可能に近い。
アクティビティーに参加する場合は、当然指定の時間に集合しなければいけないし、食事は時間だけでも予約する必要があるのだ。こうなると時計がないのは単純に不便だ。
最近、時計を置かないリゾートが増えているように思うが、多くの場合はただ不便なだけだ。
時計を排除する資格があるのは、バトラーがゲストのスケジュールを全て把握しているリゾートだけだと思う。
・不便なランドリーサービス
このリゾートは、5連泊プランを設定する等、長期滞在を推奨している。
長期滞在する時に気になるのは、やはりランドリーだが、ここはランドリーが非常に不便だ。業者が石垣島にあるため、出した衣類が返ってくるのが早くて2日後になる。
離島ということもあり、この点については仕方ないと思うが、それならばいっそ、部屋やパブリックスペースに洗濯機を置いて欲しい。
・集落へ行くのが不便
星のやは、島の外れに位置するため、島内の集落やビーチからは遠く離れている。
竹富島にはタクシーがないので、リゾートから出ようとすると、星のやのシャトルバスを利用するしかない。
このシャトルバスは、予約が必要なうえに1人500円と、ちょっとした値段。これだと、リゾートから出る気がしなくなってしまう。(我々は元々、あまりリゾートから出るつもりはないのだが)
長々と書いてしまったが、まとめると、ハード面は素晴らしく、ソフト面に問題ありというバランスの悪い状態なのである。これから長く営業していくうちに、少しは改善されることを期待したい。
