リゾートについて語るときに我々の語ること

新空港が開港して盛り上がりを見せる石垣島。 その北の外れ、海を臨む高台に位置する「ゆがふ山原」。 オーシャンビューの客室は赤瓦のヴィラタイプ。さらにプライベートプール付きという豪華さでありながら、オーナーの大久保さんが家族4人で経営しているという、民宿のような宿だ。 長女はハワイアンマッサージ、長男は自家製のパンを。それぞれの得意技を活かしながら、食事の準備はもちろん、客室の掃除まで家族でやっているのだから、驚いてしまう。 高級リゾートにも劣らない豪華なヴィラでくつろいだ後は、ラウンジに顔を出せば、笑顔のオーナーがどこからともなく現れ、島の話で盛り上がる。 リゾートと民宿の魅力を合わせ持ったかのような雰囲気が、ここの最大の魅力だ。 夏の匂いを微かに残す10月の石垣島。 家族4人の旅の記録をご紹介したい。

石垣島までは、ANAの直行便を利用。 出発までの待ち時間は、キッズスペースで子供たちを遊ばせる。 子供を飛行機に乗せる時のテクニックとして、空港に早めに到着し、キッズスペースで長時間遊ばせて体力を使わせておく、というのをよく聞く。こうする事で、機内では寝てもらうのが狙いのようだ。 我が家では、ここまで極端な事はしないようにしている。眠くてグズるという事もあるし、旅行中でも普段の生活リズムをできるだけ崩さない事を重視しているからだ。 早めに空港に行くために、子供たちをいつもより早起きさせたり、フライトの時間に合わせて眠ってもらうよりも、いつもと同じリズムで過ごす方が、彼らの情緒も安定するように思う。 さて、3時間弱のフライトを耐え抜き、新石垣島空港に到着。 旧空港よりも広くなり、店舗がたくさん入って賑やかになったようだ。 レンタカーで島を北上し、約一時間で宿へ到着。 最後は未舗装の道を通る事になり、かなりわかりにくい場所にある。 このあたりは、ちょっとした別荘地になっているようで、ところどころキレイな建物が海を見下ろしている。 エメラルドグリーンの海が美しい。 宿の駐車場に車を停めると、どこからともなくスタッフが現れ出迎えてくれる。 荷物もここで預かってくれる。 宿のエントランスは控えめな感じ。 早速海が見えてきた！

敷地内に一歩入ると、このサガリバナが出迎えてくれる。 咲いた花は池に浮き、非常に印象的な風景になる。 ここがラウンジの入り口。 ラウンジを取り囲むような池には、小さな魚がたくさんいる。 チェックインはラウンジで。 本やDVD、CDがずらりと並ぶ。「自由に持って行ってください」とオーナー。 ラウンジ内からも海が見える。 ウェルカムドリンクを頂きながら、しばしくつろぐ。 ラウンジに併設のテラスも心地いい。 八重山特有の遠浅の海が臨める。 石垣島内でも、この北側の海が一番美しいと思う。

ラウンジでしばしくつろいだ後は、いよいよ部屋へ移動。 客室は、ラウンジのテラスから見える赤瓦の建物だ。 テラスから階段を降り、リゾートのメインストリートへ。 階段脇には、たっぷりのアラマンダが植えられている。 この通路を写真手前側に降りていく。 これは、スパ棟LEHUA。 ブーゲンビリアもたくさん咲いている。 ここにも魚のいる池が。 一番奥の部屋が我々の予約した「月桃」。 ゆがふ山原は、3室のみの小さなリゾートだ。 部屋のエントランスも花に囲まれている。

それでは、我々が宿泊したヴィラ「月桃」を紹介する。 ヴィラの脇を抜けると…。 目に飛び込んでくるこの景色！ 「月桃」は3室の中で一番景色がいいヴィラのようだ。 そして、海を臨むガゼボ。 蚊取り線香も用意されていて、非常に快適な空間。 10月の石垣島は、日蔭にいれば涼しくて過ごしやすい。 プール側から。 プールサイドも快適。 植え込みがなければ、プールに入っても海が見えるのに…。

続いて、室内の紹介を。 ヴィラはベッドルームとバスルームのシンプルな構造。 こちらはベッドルーム。 子供と添い寝するためにくっつけてもらっているが、基本はツイン。 テレビの正面にソファ。 室内からも海が見える。 バスルームは広々したつくり。 シンプルなベイスン。鏡の後ろはトイレになっている。 個室になっていないので、同行者との関係によってはちょっと恥ずかしいかも。 シャワーブース。 その隣にバスタブ。 ここからも海が見えるようになっている。 室内は、オシャレとかスタイリッシュとは程遠い感じだが、隅々までピカピカに清掃してあって気持ちがいい。 おむつ用のごみ箱や、ベビーソープ等の準備もあり、幼児対応もバッチリ。 非常に過ごしやすいヴィラだった。

リゾートでは、どこにも出かけず「観光はしない」と言い張っている我々だが、子供たちがいてはそうもいかないもの。 お魚大好きな我が家の子供たちに楽しんでもらおうと、川平湾でグラスボートに乗ってみる事に。 湾内は遊泳禁止で、グラスボートがたくさん浮かんでいる。 ビーチへワイルドに乗り上げたボートに乗り込み、湾内へ。 少し雲が多い今日の天気だが、それでもこの美しいエメラルドグリーン。 グラスボートとは、船底がガラスになっていて、船に乗りながら海の中を眺める事ができる船である。 小さい子供に珊瑚や魚を見せるには最適なのだ。 湾内の地形もおもしろく、船底以外も十分楽しめる。 青く光る珊瑚。 珊瑚の種類が豊富なのが川平湾の特徴。 魚が多いといっても、湾内のこと。 当然モルディブのハウスリーフなんかとは比ぶべくもなく…。 子供達も途中で飽きてしまった様子。 う～ん、魚を見るなら水族館の方がよかったか…。

今回初めて訪れた石垣島北部には、八重山諸島でも有数のビュースポットがたくさんある。 前回紹介した川平湾も、もちろんその1つだが、その他のスポットもご紹介したい。 まずは、東部海岸に面した玉取崎。 ここには、高台に展望台があり、観光客も多く訪れるスポットになっている。 展望台へは、駐車場から5分ほど歩く事になる。 駐車場からもこんな美しい海を眺める事ができる。 発光しているかのように見える明るいエメラルドグリーンが特徴的。 展望台へ向けて歩き始める。 正面に見えるオレンジ色の屋根が展望台だ。 道はきれいに舗装されている。 歩きながらも海を眺める事ができる。 展望台到着。 視界が広く、東海岸を一望できる。 山ありビーチあり。 この多彩な地形は石垣島だけのもの。 新空港からも割と近いので、滞在中のホテルが北部でなくても是非訪れてほしい。

石垣島ビュースポットシリーズ(?)その2は、島最北端の平久保崎。 白い灯台をアクセントに、美しい青い海を眺められるスポットだ。 玉取崎から30分ほど北上。 放牧された牛を横目に、細い道を登っていくと、車10台も止められないくらいの駐車場が。 公衆トイレと自動販売機、ちゃっかりブルーシールアイスクリームも売られている。 車で行けるのはここまで。 この表示を目印に、徒歩で登っていく。 がんばれ次男くん！ この時点で既にこの景色！ これはもう、モルディブ級の美しさ！ 2分ほどで灯台に到着。 ここが石垣島の最北端だ。 美しい海に加え、一面に広がる草原、ダイナミックな地形と、かなり迫力のある景色。 灯台までは降りていけるが、上には登れない。 さらに高台へ上る事ができるが、道はないので注意。 箱庭的な川平湾に比べ、こちらは雄大な自然を感じる事のできる開放的な場所。 石垣島で一番のお気に入りスポットとなった。

石垣島ビュースポットシリーズ最終回は、御願崎。 石垣島のほぼ最西端に位置し、ダイナミックな夕日が眺められるスポットだ。 が、訪れたのは真昼…。 幼児連れだと、こういう類の時間調整は全くうまくいかない。 玉取崎や平久保崎とは違う海の色。 沖まで続く浅瀬がないので、エメラルドグリーンではない。 白い灯台はここにもあった。 切り立った岩場。打ちつける波も厳しい。 夕日とまではいかないが、少し日が落ちてきた。 昼間に見るなら、断然平久保崎の方がおすすめ。次は夕日の時間に訪れたい。