前回に続いて、石垣島であちこち出かけた中から、特に気に入った所をご紹介していきたい。
今回の旅行では、珍しくツアーを予約して参加してみた。
宮良川のマングローブカヌーツアーだ。
石垣島の大自然を体験できるとあって楽しみにしていたが、当日は前が見えなくなるほどの大雨。ツアー催行中は少し弱まってくれたが、宮良川は増水していて流れが速く、浅瀬に乗り上げたりマングローブに突っ込んで行ったりしないようにするのが精いっぱい。
ある意味大自然を経験する事はできたが、マングローブどころではなかったのが残念だった。
旅行の最終日に訪れたのが、「光楽園」。
元々、グァバを中心としたフルーツ農園を経営していたようだが、そのフルーツを使ったジュースやスイーツを提供する店を始めたという事らしい。
農園の土地を一部店舗にしているようで、観光客があまり訪れない内陸部にある。
看板にあるように、営業日・営業時間はかなり「てーげー」(沖縄の方言で「適当」、「いい加減」といった意味)なので訪れる際はご注意頂きたい。
店舗自体はかなり狭く、屋内スペースはスタッフのいる厨房と、このカウンター前にある1,2セットのテーブルくらいしかない。
メニューはジュース、スムージーやフラッペとかなり豊富だが、季節によって収穫できないフルーツがあるので、常に全て注文できるわけではないようだ。
「島おばぁの黒糖ぜんざい」
ぜんざいの上にかき氷をかけた沖縄風のぜんざいを黒糖でアレンジしたもの。
「パッションフルーツのフラッペ」
これはおすすめ。黒い粒々が見えると思うが、これはなんとパッションフルーツの種。
パッションフルーツは、種ごとバリバリと噛んで食べる果物で、それがこのフラッペにも活かされている。
細かく砕かれた種が、ふわふわとした柔らかい氷にバリバリとした食感をプラスし、大きなアクセントになっている。
店舗の奥には、こんな壮大な景色が楽しめる屋外席がある。
これには子供たちも大喜び。他にお客さんもいなかったので、走り回って遊んでいた。
スタッフが飼っていると思われる亀や犬もいて、思いっきり遊ぶ事ができたようだ。
この広大な自然。
私はこれを石垣島の大きな魅力だと思っているので、おいしいスイーツと一緒にこの景色が楽しめるここは、大きなお気に入りとなった。
そのシーフォレストが、ホテルとしての一面がある事はあまり知られていないかもしれない。
とはいえ、大規模な建物は建てられない山の中腹。ここにあるのは2軒のみの小さなヴィラだ。
レストランと同じ絶景は、残念ながら拝む事はできないが、オーナーのこだわりが光る個性的な内容になっている。
とりわけ、海のイメージが強い沖縄で、ビーチサイドではなく山の中というこのロケーション。森の中に溶け込むような静かな雰囲気が素晴らしい。
ヴィラ自体の魅力もさることながら、このヴィラに泊まる特権は、レストランからの絶景を独り占めできるところ。
宿泊についてくる朝食は、宿泊者だけがレストランを使用できる貴重な時間。
その他にもレストランのクローズ時間は自由に使用でき、ドリンク類は無料で提供される。
混雑する店内も、争奪戦が繰り広げられるテラス席も自由に利用できるのは大きな魅力だ。
訪れたのは2016年正月。石垣島北部の大自然に抱かれ、ゆったりとした静かな滞在となった。
振り返ると、道を挟んだ向かい側には玉取崎展望台の駐車場。
展望台を訪れる観光客が次々に現れる。
シーフォレストは、展望台よりさらに山道を登ったところにあるのだ。
坂を登り切ったところには、道なのか駐車場なのか、ちょっと判断しにくいような駐車スペースがある。
写真では1台しか停まっていないが、ランチタイムにはここが車でぎっしりと埋まってしまう。
1つ前に写真を撮った場所から、振り返るとこうなっている。
赤い屋根の建物がレストラン「シーフォレスト」。
ここからは180度を越える、大パノラマの海の眺めを楽しむ事ができる。
しかし我々の滞在中はずっと天気が悪く、碧く輝く美しい海の眺めを楽しむ事はできなかった。
1月の沖縄は、降水量こそ多くないが、晴天率が悪くあまりおすすめできるシーズンではない。
宿泊用のヴィラは、レストランからは少し離れているが、チェックインのためまずはここを訪れた。
ちょうどランチタイムが終わった頃のようで、店内には少しだけレストランの利用客が残っていたが、スタッフも一息ついたところ。店内のウェイティングスペースで、ウェルカムドリンクを頂きながらチェックイン手続きをしてもらった。
レストランの様子はまた別途ご紹介する。
山の中腹ということもあり、周りには建物の姿はない。
私の大好きなサトウキビ畑もあり、心癒される風景が広がっている。
1月だというのに蝶の姿が数多く見られたのが印象に残った。
大きなバッタや蛾や羽虫と、虫はかなり多く、苦手な人には厳しい環境かもしれない。
夜には蛍が飛んでいるのが見え、親子で感動してしまった。
玉取崎展望台から見たシーフォレスト。
写真中央やや右よりの、赤い屋根の建物がそれだ。
展望台よりかなり高い位置にあることがわかる。
さて、まずは我々が宿泊したヴィラをご紹介しようと思う。
2つしかない客室のうち、我々が選んだのは広い方の「樹梨」。
レストランから少し坂道を下った所に、木々に溶け込むようにして建てられている。
ヴィラの内部は、次回以降詳しくご紹介する。
樹梨への入り口はここ。
前回少しご紹介したように、レストランの少し手前に入り口がある。
ここはレストランを利用する人が通る道だが、樹梨の建物は森に溶け込むように作られているので、この通り全く見える事はない。我々も、以前ランチでレストランを利用した事があるが、ここに客室がある事には全く気付かなかった。
なお、右側のコンクリートの部分は、樹梨宿泊客専用の駐車場。ただし何の表示もないので、レストランの利用客に停められてしまう事もしばしば。
下り坂を降りていくと、樹梨のエントランスが見えてくる。
最低限の舗装しかされておらず、岩場のようになっている部分もあるから、小さな子供は注意が必要。
エントランスの表示。
中に入ったところ。
この玄関スペースは異様に狭く、いきなり意表をつかれた。
玄関スペースから室内を見ると、こうなっている。
ツインのベッドの奥にリビングスペース。写真左側はバスルームにつながっている。
ツインのベッド。
ここには、バリ島のように天蓋をつけた方が良いと思った。
というのも、ここにはヤモリが住み着いており、時折「落とし物」をしていくのだ。
一度、寝ようとした枕元にボトっと落とされ、肝を冷やした事があった。
壁際にはクローゼットのようなスペース。
かなり広く作ってあるので、荷物がたくさん置けるものの、何故かオープンな仕様。
周り360度を森に囲まれたようなヴィラだが、明り取りの窓が多く作られており、意外に明るい。
窓からは森の緑が目に飛び込んできて気持ちがいい。
「連泊エコプラン」の設定にしたので、部屋着とシーツは2日に1回の交換。その分宿泊料金は少し安くなる。
なお、ここには有線無線問わずインターネットへの接続は用意されていない。必要な人は自前でご準備を。
このヴィラ最大の特徴がこのデイベッド。
ベッドルームの床レベルより下に座面が来る作り。敷地の高低差をうまく活かしている。
ここでゆっくりとくつろぎたかったのだが、子供たちの絶好の遊び場所になってしまった。
デイベッドの横には、お茶やコーヒー、湯沸しポットが用意されている。
対面にあるテレビの下には冷蔵庫があり、少しだけだがドリンクが入っている。このドリンクは宿泊料金に含まれている。
ソファー型になっているが、ゴロンと横になれる大きさ。
家族4人で座っても余裕があるくらい大きい。
夜はいつもここでゴロ寝しながらテレビを見て過ごした。テレビにはDVDプレーヤーが接続されていて、映画のDVDも貸してくれる。
デイベッド前のガラス戸を開けて、外のテラスへ出てみよう。
テラスには段差があり、実際に使える面積は割と少ない。
それでもデッキチェアが置いてあり、ここでもくつろげるようになっている。
こちら側には椅子とテーブルが置いてあった。
ここからも出入りが可能で、バスルームにつながっている。
テラスの半分ほどは屋根がついており、雨の日でも一応利用が可能。
ちょっと下がってヴィラの全体像を。
テラスからの眺め。
この先はレストランからの眺望と同じく玉取崎の海が広がっているが、豊かな緑に遮られてほとんど見る事ができない。
写真では白飛びしているが、木々の間から少しだけ海が見える。
パーシャルオーシャンビューと表現すればぴったりだろうか。
すぐ隣には、レストランと「夏桜」の入り口あたりが見える。
木々の目隠しもあり、気になるほどではない。
入って左側には、ベイシンとトイレのスペース。
ベイシン周りには、アメニティや各種備品がびっちり。収納もないのでどうしても物が溢れてしまう。
1つ1つ選び抜いた感じはあるし、男性用シェービングジェルまである豊富さはすばらしいのだが、ただでさえ狭いスペースなので、収納を作る等工夫が欲しい。
トイレはもちろんウォシュレット。
このオープンな感じは日本人は苦手かも。
一応ブラインドがあるので、目隠しはできるのだが、オープンな事には変わりない。
反対側にはバスタブのスペース。
バスタブは巨大なジェットバス。
バスタブのすぐ横にはシャワー。
ブースになっていないのは珍しい。シャワーを使うとバスルーム中ビショビショになってしまうが、オープンになっているのは気持ちいい。
ハンドシャワーとレインシャワーが両方ついている。
バスタブは大きく見えるが、このようにペアで座る仕様になっているので、意外と内部にスペースはない。
大きな窓からは、いっぱいの緑が飛び込んでくる。
海は木々の隙間から少し見える程度だが、この景色が本当に心地よく、滞在中は毎朝ジェットバスを楽しんでしまった。
入ってすぐの所にあるウェイティングスペース。
この写真からもわかる通り、店内の海側には大きな窓が口を開けており、店内からも視界いっぱいの海の眺めを楽しむ事ができる。
店内奥のスペース。一番奥のテーブルは、毎回我々家族の指定席にしてくれていた。
今回、毎日の朝食の他に、ディナーを何度か予約していたので、ここで食事する機会は多かったのだ。
ちなみに、ディナーは宿泊客でなくても利用可能だが、予約が必要になる。
宿泊ゲストを含めても3組程度までに絞っているため、ディナーが混雑する事はないようだ。
店内どこにいても、180度以上の大パノラマ。
天気が良ければもっと青く美しく輝く海が見える。
店内一番奥の窓からも。
そしてもっと素晴らしいのがテラス席からの眺め。
この一番海に近いデッキが特等席。
右側に見える屋根は、玉取崎展望台。
この席はランチタイムには争奪戦になるが、宿泊ゲストであればランチタイム以外は自由に利用可能。
さらに、ヴィラの冷蔵庫にあるドリンクだけでなく、ここで注文できるソフトドリンクもコンプリメンタリーなのだ。
平久保崎の方もこの通り。
朝は朝日に照らされて海がキラキラ光っているのが見える。
毎朝の朝食は本当に楽しみだった。
まずはなんといっても赤石食堂。
島の北端近くにあり、アクセスが非常に悪いにも関わらず、いつも行列ができている超有名店だ。
我々は前回石垣島を訪れた時に初めてここのソーキそばを食べて大ファンになった。
今回の旅行は、ここに行きたくて石垣島を訪れたといっても過言ではないほど。
ピントがずれていてひどい写真だがご容赦頂きたい。
我々が大好きなソーキそばだ。
噛まなくても食べられるほどトロトロに煮込まれたソーキ。そのタレが豚骨系の出汁と混ざって最高のスープとなっている。
一般的な沖縄そばとは全く違う、ラーメンのようなしっかりとした味わいだ。
最近移転してきれいになった店内には、奥に座敷の席もある。
写真はガラガラの店内が写っているが、これはランチの営業が終わる時間帯に撮ったもの。
ランチタイムど真ん中に来てしまうと一時間待ちなんかはザラ。諦めて他の店に行くにも、周りにほとんど飲食店がないのでご注意願いたい。
赤石食堂へ行った帰りにでも、是非寄って頂きたいのがこちら。
石垣島ミルククラウン。
玉取崎を過ぎて206号線で赤石食堂へ向かう途中、不意に路上販売車が停まっているのが目に入る。
最近は人気が出てきたのか、いつもお客さんの車が路駐しているのが見えるので、すぐにそれとわかる。
ソフトクリームを中心に、牛乳を使ったスイーツを提供しているこの店。
牛乳の味が非常に濃く、甘さ控えめのソフトクリームは、舐めても舌に乗ってこないほどベトっとした食感。シャーベットに近いほどの感触で、かなり独特なものだ。
すぐそばにある牧場で絞った牛乳を使っているとのことで、納得の素晴らしい味。
赤石食堂と合わせて、石垣島に来たら必ず訪れたいスポットだ。
販売車の奥に広がる、直営の牧場。
広大な緑の向こうに美しい海が見える。石垣島北部特有の、我々が大好きな景色だ。
客室からは同じ絶景を見る事はできないが、その分プライベートはしっかりと守られているし、部屋の雰囲気も素晴らしいものだ。
決して豪華ではないが、大きなデイベッドや広いバスルーム等なかなか個性的で、ゲストが過ごしやすいようにという工夫に溢れているのが見てとれる。
ここのスタッフは非常に丁寧で温かい対応をしてくれた。
予約の時点でメールでの質問にも非常に細かく丁寧な返事を頂き感激した。例えばディナーの予約をした時に赤石食堂へも行きたいと漏らすと、赤石食堂の営業日を調べてディナーの予約日を提案してくれた。
小さな宿なので、当然なんでも対応できるわけではないが、できること、できないことをしっかりと説明してくれ、できる範囲でできる限りの事をしてくれているのがわかったので、非常に気持ちのいい対応だった。
シーフォレストのある石垣島北部は、海はもちろん山もあり豊かな自然が広がっている。
市街地のある南部とは全く違う風景だが、この自然が大きな魅力。
シーフォレストは、この自然に溶け込むような作りになっていて、虫やヤモリの鳴き声、雨の音と自然の声に溢れている。木々の緑や海の青、夜には星も見え、本当に豊かな自然に囲まれている。
ゆったりとした豊かな時間を過ごしたい人には是非おすすめだ。
