リゾートにはつきもののスパ。
ここギリ・ランカンフシに入っているのは、ミーラ・スパ。
ソネバギリ時代は、同系列のシックスセンシズ・スパだったから、当然ギリ・ランカンフシになってから変わったのである。
スパの施設は、全て水上。
プールやレストランがあるビーチとは、ちょうど反対側の海に浮かんでいる。
振り向くと、日本食レストラン「バイ・ザ・シー」が見える。
受付で簡単なアンケート用紙を記入しながら待つ。
全て日本語なのが嬉しい。
スパ・プロダクトが購入できるショップも当然入っている。
このトイレは私のお気に入り。
用を足す部屋は、当然ちゃんと個室になっているからご心配なく。
柵の不揃いな感じがこのリゾートらしい。
足を軽くマッサージしてもらった後、トリートメントルームへ。
お願いしたのは、シグニチャー・マッサージ。
バリニーズをベースに、世界中の様々なマッサージを組み合わせたものだ。
指圧系の強いマッサージが苦手なので、事前にミス・フライデーと打ち合わせてカスタマイズしてもらった。
ベッドにうつぶせになると、海の中が見えるようになっている。
ちょうど目がくる位置には、珊瑚が養殖されているようだった。
これまで、スパのマッサージはくすぐったく感じる事が多く、正直少し苦手だった。
私が強いストロークが苦手だと伝えているせいもあるのだと思うが、体がほぐされている感覚もなく、ただ体をなでられているだけという感じだった。
しかし、ここのマッサージは、私の要求通りストロークは強くないのに、ちゃんとツボをついているようで、どんどん体がほぐれていくのが実感できた。
終わった後も、しばらく体を起こす事ができないほどで、心底リラックスする事ができた。
このリニューアルはかなり前に始まっていて、順番に工事しているといえ、既に全ヴィラ完成していると思っていたのだが…。
見たところジェッティ3は全てリニューアルが未済のようだった。
ギリ・ランカンフシになって、工事が止まってしまったのだろうか。
このテーブルは、海の中が見えるようになっている。
テーブルの上はもちろん、足元もガラス貼りだ。
階段の両脇には、このハンモック。
海上ハンモックといえば、ワン・アンド・オンリー・リーティラだが、最近ではカヌフラやシャングリラ等、色んなリゾートで採用されているようだ。
こちらはベッドルーム。
スパ・レジデンスでは見えなかった隣のヴィラが見える。
とはいえ、間隔を十分にとってあるので、気になる事はないと思う。
なお、スパ・スイートはヴィラ同士の間隔がもっと近いようだ。
バスルームには、アウトサイド部分との間にガラスの扉がついている。
子供たちの転落防止のため、#38にもついていれば嬉しかった。
シャワーブースは同じつくりだが、こちらにはフィットネスルームとサウナはない。
続いてルーフバルコニー。
このデイベッドは全く同じだ。
当然、スパ用のベッドとジャグジーはない。
ルーフバルコニーから見た1階のテラス。
やっぱり、こっちのテラスの方がいいなぁ。
天気が悪く、ここ本来の美しさをお伝えできないのが悔しい。
ちょうど、ビーチを掃除しているスタッフがいた。
こうやって、こまめに掃除してくれるからこそ、リゾートのビーチには木の枝ひとつ落ちていないのだと実感。
小舟が置いてあるのを発見。
これはオブジェ的に置いてあるのだろうか。
西側にはアライバルジェッティが見える。
ヤシの木が密集している所には、ハンモックが。
ちょうど木陰になるので、ここで昼寝したら心地よさそうだ。
アライバルジェッティから。
右側に見えているのはジェッティ1だ。
アライバルジェッティから、さらに西へ行くと水上バー。
ここからさらにビーチを見ると、レストランとプールだ。
デッキチェアはいくつか用意されているが、うまく時間を調節しているのか、他のゲストに会う事はなかった。
正面の眺めはこんな感じ。
天気が悪いのが残念…。
どこまでも続くようなラグーンの他には、何も見えない。
このあたりの海は、船も通らないし、マリンスポーツのゲストもまず訪れる事はない。
右側にはジェッティ2が見える。
下を見ると、こんな所にもテラスが用意されている。
ちょうど受付の裏に当たる場所だが、どんな時に使うのだろう?
どこからともなくいい香りが漂うこの空間。
居心地がよく、かなり長い時間くつろいでしまった。
後ろ髪を引かれながらスパを出る。
もう一度マッサージを受けたかったな…。
この先はスタッフエリアになっていて、ゲストがほとんど通らない場所なのだが、居心地のいいオンドーリが設置されている。
ジェッティ3を眺めるのにも絶好の位置だ。
スパ・レジデンス#38のエントランスから見る朝日。
人工物を極力見えないようにしているのが、ここのこだわり。
これはルーフバルコニーのジャグジーを使うためのスイッチだった。
ヴィラの呼び鈴。
音が小さいので、リビングルームを離れていると全く聞こえないのだが、電子音はこのリゾートにそぐわない。
「Do not disturb」…かな？
こちらは、「起きてますよ」って事か。
メインレストランのトイレ。
髭があるから…、男子？
じゃあこっちは女子かな？
う～ん、わかりにくい。間違えるゲストがいるんじゃあないだろうか。
モルディブでは、どのリゾートにもあるけれど、裸足で歩くこのリゾートでは重宝する。
これは何かというと、足にかけるための水。
強烈な日差しで、ジェッティは熱々になっているから、この水で足を冷やしながら歩くのだ。
チェックインは部屋だったので、ここはチェックアウトの時しか使わないようだ。
いつ見ても誰もいないし、ここがレセプションだとは全くわからなかった。
手続きが終わると、アライバルジェッティを歩いてボートへ向かう。
足の裏に感じるこの熱さも、これで最後。
長男くんは、足を冷やす甕の水を使う事がすっかりお気に入り。
一定間隔で配置されている甕の前を通る度に、足に水をかけていた。
いつかクルーソーレジデンスにも泊まってみたいな…。
ボートはすぐに空港へ到着。
出発カウンターでしばし押し問答。
我々はシンガポールで一泊するので、預けた荷物をシンガポールで受け取る予定だった。
だが、係員は「それはできない」一辺倒。いやいや、そのための手数料も払っているんだからね。
なんとか希望通りになったが、手続きに30分はかかっただろうか。このへんはやっぱり南国らしい適当さ。
空港はちょっと前にリノベーションされたと聞いていたが、あんまり変わっていないように見える。
ところが2階に上がってびっくり。
すっかりきれいになって免税店までできている。
以前は、いかにも田舎の空港というような雰囲気で、地元のおじさんが趣味でやっているようなお土産屋くらいしかなかったのだが…。
なんといっても最高だったのは、頭の中をからっぽにして、自然の一部になったかのような気持ちで滞在できた事。
今回、子供たちの生活リズムを壊さないために、日本時間のいつもの時間で生活した事もあって、夜明けと共に起き、日が暮れると眠るという生活を送った。
ほとんど予定を入れなかったので、空腹を感じたら食事に行き、暑くなってきたらプールへ入る。
その時その時の気分次第で、やりたい事をやるという滞在だった。
予定を入れないから、そもそも時計を見る必要があまりないし、寝るのも起きるのも外の明るさ次第なので、ますます見る必要がない。滞在も後半になってくると、潮位でだいたいの時間がわかるようになっていたので、もう全く時計が必要なくなっていた。
眠気や食欲といった、プリミティブな感覚に従って生活する心地よさ。
それに加え、リゾートのナチュラルな雰囲気、人工物の少なさや、常に裸足でいる事などが相まって、自然に溶け込んでいくような、全てのストレスが消え失せてしまったような、そんな感覚に陥った。
モルディブ全体について書いたのか、ギリ・ランカンフシについて書いたのかよくわからなくなってしまったので、リゾートの設備やサービスについても触れたい。
アップグレードしてもらったスパ・レジデンスはすばらしかった。
スパ用ベッドやサウナ等、スパ・レジデンス固有の施設は最後まで使う事はなかったのだが、この部屋一番の魅力は、他の客室やリゾート施設が一切見えないそのロケーションである。
陸とつながっていないクルーソーレジデンスでさえ、沖にはプライベート・リザーブが見えるし、そのプライベート・リザーブでも、目の前にはローカルアイランドが見えてしまうはず。
これだけ海しか見えないというのは、リゾート内でここだけではないか。
サービス面では可もなく不可もなく、といった所。
ただ、ミス・フライデーの存在は悪くない。
注意してほしいのは、バトラーとはちょっと違うという事。
どちらかというと、総合問い合わせ窓口といった感じ。
バトラーとは違い、近くで待機していたり、常にこちらの状況を把握しているわけではない。
ゲストは、何かを聞きたい時や、何かをしたい時はミス・フライデーに連絡すればよい。
ただし、実際にサービスをしてくれるのは、他のスタッフ。ミス・フライデーは指示を出すだけだ。
何部屋か掛け持ちしているようで、ひっきりなしに電話がかかってきていたから、人によっては頼みにくく感じるかもしれない。
それでも、何かあったらとりあえずミス・フライデーに連絡すればいいというのは、楽でいい。
強いて欠点を挙げるとしたら、この島はハウスリーフが遠く、沖の方は波が高いのでシュノーケリングがあまり盛り上がらない。
ただ、その代りパウダーブルーの美しいラグーンが広がっており、特にジェッティ3や水上バーのある側のラグーンは、筆舌に尽くしがたいほどの美しさ。
あまりシュノーケリングをしない人にとってはむしろポジティブな要素かもしれない。
